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第17話 処刑台で、黒狼王は剣を抜いた

last update publish date: 2026-10-16 15:10:12

第17話 処刑台で、黒狼王は剣を抜いた

 処刑まで十二時間を切ったと知らされた夜、セレナはほとんど眠れなかった。

 眠れないのは当然だと思っていた。

 明日の朝、自分の首が刎ねられる。

 そう理解しているのに、身体のほうは妙に現実的で、喉が渇けば水を欲しがり、冷えれば毛布を引き寄せ、長く座っていれば腰が痛くなった。

 死ぬ予定が決まったからといって、人間の身体は急に特別なものにはならないらしい。

「変なの」

 寝台の上で膝を抱えながら呟く。

 怖い。

 間違いなく怖かった。

 けれど、数日前まで想像していたほど取り乱してはいない。

 泣き疲れたせいかもしれない。

 あるいは。

 胸の奥に、あの温かさがあるからかもしれなかった。

 ルシアンに会ってから、それはずっと消え

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